MARKEM製産業用プリンター『9880』の修理依頼をいただきました。ご指摘の不具合現象は「プリンターのモーターが動作しない」です。
一見するとプリンター自身の故障に見えますが、付属のコントロールボックス内の基板が故障している可能性もあります。
ケースを開け、中の基板の状態を顕微鏡・テスター・オシロスコープを使いながら詳細に調査していきます。
通電調査をしたところ、電源は問題なく入ります。また、コントロールボックスのパネル表示にも異常は見られません。
コントロールボックスは正常に立ち上がっているものの、プリンターのモーターをきちんと制御できていないような挙動です。
基板上のモーター制御に係ると思われる個所を詳細に調査したところ、破損しているICを発見しました。
このICは『モータードライバIC』で、まさしくモーター制御に係る部分です。
国内には在庫の無い部品でしたので、海外より代替品を調達いたしました。
故障していたモータードライバICを良品と交換し、動作確認をしました。設定値どおりにプリンターが温度上昇し、問題なく動作しているように見えます。
修理後、お客様に返却し動作確認いただいたところ、正常復帰しているとのご連絡をいただきました。
IC以外は故障しておらず、安心いたしました。